今までRでデータの変数名を変更したり条件でグループ化したりしました。







そして前回の記事では集計して平均や標準偏差などの要約を出したり、グラフを作るためにgather関数を使ってlongデータを作りました。

【2-5】Rでデータを集計するのに便利なtidyデータとgather関数



今回は棒グラフや折れ線グラフ作成に必要な平均や標準偏差などの統計量を求めます。



データは前回と同じデータを使います。

FIM.xlsx

スクリーンショット 2019-02-19 22.25.41


ダウンロードした後、プロジェクトの指定フォルダにファイルを移動させておけば、以下のコマンドで前回最後の場面まで進みます。

library(tidyverse)
library(readxl)
fim <- read_excel("FIM.xlsx", sheet = "入院時")
fim_long <- fim %>% 
  gather(食事:FIM合計, key = 項目, value = 点数, factor_key = TRUE) 
head(fim_long)


1,groop_by関数でグループ化したい項目を指定する

ますグループ化するためにはgroop_by関数を使います。

group_by(データ,列名)

%>%を使うとデータの部分は省略できます。

fim_long %>% 
  group_by(項目) 

スクリーンショット 2019-02-21 21.42.39



何も変わってないように見えますが、薄い文字のところに# Groups:項目 [21]とあります。


ちなみにグループの種類が複数でも可能です。

fim_long %>% 
  group_by(項目,性別) 

スクリーンショット 2019-02-21 21.45.43



2.列名の順番について

下の2つのコードはどういった違いがあるのでしょうか?

スクリーンショット 2019-02-22 0.15.27

表の並び順が違うだけでその後グラフを作るときには影響はないのですがイメージとしては上記のようになります。





3.統計量を出すsummarize関数


平均などの統計量などを出すにはsummarize関数を使います。

summarize(名前1 = 関数1, 名前2 = 関数2)

summarize関数の前にgroup_by関数を使っていると、グループごとの集計が出てきます。

fim_summarize <-  fim_long %>% 
  group_by(項目,性別) %>% 
  summarize(平均 = mean(点数), 
            標準偏差 = sd(点数), 
            最小値 = min(点数), 
            最大値 = max(点数))
fim_summarize

スクリーンショット 2019-02-22 0.49.09




もし保存したい場合はwrite.csv関数を使います。

wite.csv(保存する変数名, "ファイル名.csv")
ファイル名には" "と.csvを入れます

write.csv(fim_summarize,"FIM集計")
スクリーンショット 2019-02-22 0.57.54
右のfilesビューにFIM集計.csvができました。

csvファイルをExcelで読み込む時は【1-11】Rで医療統計で必要なtable1を作るtableoneパッケージについて紹介しますをご参照ください。

ポイントとしてはファイルの出力先を$A$1ではなく$B$1にしてください。
$A$1だとなぜかエラーが出ます。
スクリーンショット 2019-02-22 1.04.57

スクリーンショット 2019-02-22 1.07.22

Excelにするとわかるのですが、小数点10桁まで表示されます。
もし小数点第一位までの表示にしたい時はround関数を使います。

round(数値, x)
たとえばxが1だと小数点第二位を四捨五入して小数点第一位まで表示します。

fim_summarize <- fim_long %>%
group_by(項目,性別) %>%
summarize(平均 = round(mean(点数), 1),
   標準偏差 = round(sd(点数), 1),
   最小値 = min(点数),
   最大値 = max(点数))
fim_summarize
スクリーンショット 2019-02-22 1.18.28



4.summarize関数を使うときの注意点。

group_by関数の順番に影響する

2でも紹介しましたが、groop_by関数で指定したグループが複数の場合、summarize関数で表示される順番はgroop_by関数の影響を受けます。

スクリーンショット 2019-02-22 0.15.27

あとでExcelで並べ替えるのはただ面倒です。もしcsvで保存をする時は何を示したいかをあらかじめイメージしておくことが重要になります。



2.欠損地があるとNAとなる

平均を求めるmean関数などはどこか1つでも欠損値(空欄)があると結果はNAとなります。

氏名 <- c("A", "B", "C", "D")
年齢 <- c(55, 63, 67, 71)
test_1回目 <- c(1,2,3,NA)
test_2回目 <- c(5:8) test_3回目 <- c(9:12)
data <- data_frame(氏名, 年齢, test_1回目, test_2回目, test_3回目)
data data %>%
gather(3:5, key = 回数, value = 点数) %>%
group_by(回数) %>%
summarize(平均 = mean(点数))
スクリーンショット 2019-02-22 1.53.38


もし結果にNAが出た時はまずはそもそものデータの入れ損ねがないか確認をし対応します。

それでも欠損値がある時はNAを省いて計算する欠損値を統計の技術を使って代入するといった方法があります。

もし欠損値を省いて平均を出す場合はna.rm = TRUEを付け加えます。

data %>%
gather(3:5, key = 回数, value = 点数) %>%
group_by(回数) %>%
summarize(平均 = mean(点数, na.rm = TRUE))
スクリーンショット 2019-02-22 2.06.51


ただ実は欠損値を省いた方がいいのかどうかという問題があります。ただ業務で傾向を確認したいなどであれば欠損値を省いてもいいと思いますが、きちんと出さないと行けない場面ではこれはこれできちんと勉強する必要があります。欠測データに関しては医療統計の本では紹介されていない事が多く専門書が必要かもしれません。


欠測データ処理: Rによる単一代入法と多重代入法 (統計学One Point)



summarize関数に入れられる関数は単一の値が出るものに限る。

summarize関数で使える統計量はmean関数,sd関数,median関数など単一の値になります。

ただ、関数の中には最小値と最大値を一度に出してくれるrange関数など複数の値を出すものがあります。

test_2回目 <- c(5:8)
range(test_2回目)
スクリーンショット 2019-02-22 2.27.00


range関数をsummarize関数に入れようとするとエラーが出ます。

data %>% gather(3:5, key = 回数, value = 点数) %>% group_by(回数) %>% summarize(平均 = mean(点数, na.rm = TRUE), 範囲 = range(点数))

スクリーンショット 2019-02-22 2.36.38

「1つの値しか入れられないのに2つ入ってるよ!」と怒られています。

スクリーンショット 2019-02-22 2.41.49

特にあるのが四分位範囲です。
四分位範囲はquantile関数を使って以下のように一度に値を出すことができます。
quantile(fim$年齢, c(0.1, 0.25, 0.5, 0.75, 0.9))
スクリーンショット 2019-02-22 2.45.59


しかしsummarize関数ではまとめて入れられないので1つずつ入れる必要があります。
fim_summarize <- fim_long %>% group_by(項目,性別) %>% summarize(平均 = mean(点数), 標準偏差 = sd(点数), 最小値 = min(点数), percent_25 = quantile(点数, 0.25), 中央値 = median(点数), percent_75 = quantile(点数, 0.75), 最大値 = max(点数)) fim_summarize
スクリーンショット 2019-02-22 3.01.32



そもそもの列のfactorの順番があってるのか?

gather関数のkey列に関してはfactor_key=TRUEで五十音順ではなく、元の順番に戻すことができます。

しかし他の列でfactorの順番が合っていない可能性もあります。

もしほかの列でfactorの順番を合わせるにはmutate関数とfactor関数を組み合わせて使うことができます。

今回は女性と男性を入れ替えてみます。
fim_summarize <- fim_long %>%
mutate(性別 = factor(性別, levels = c("男性","女性"))) %>%
group_by(項目,性別) %>%
summarize(平均 = mean(点数),
     標準偏差 = sd(点数),
      最小値 = min(点数),
   percent_25 = quantile(点数, 0.25),
   中央値 = median(点数),
   percent_75 = quantile(点数, 0.75),
      最大値 = max(点数))
fim_summarize
スクリーンショット 2019-02-22 3.01.32


factor関数の使い方は【1-10】Rでよく使われる型について説明しますをご参照ください


まとめ

今回はgroup_by関数とsummarize関数と、実際に集計を出し保存するところまで紹介しました。

これでひとまず第2章で行う予定だった「データを集計しやすいように形を整え集計する」が終わりです。

スクリーンショット 2019-02-08 10.33.40


ただ今回は「できるだけExcelの時点でデータは編集しやすい形式で保存している」ことを前提に話を進めています。

もっと形が整っていないデータの扱いやここでは説明できなかった項目も多くあります。

もし「もっと知りたい」「ここの情報では足りない!」ということであれば下記のサイトなどもご参照ください。


データハンドリング入門
https://kazutan.github.io/kazutanR/hands_on_170730/index.html