Rで医療統計を行う場合ExcelでデータをとりRで読み込んで使うといった方法がほとんどだと思います。

EZRやRコマンダーで統計を行うときは気にしなくてもいいのですが、RやRStudioで統計を行うときは「ベクトル」や「データフレーム(data.frame)」といった知識があると理解が進みやすいです。

今回はdata.frameとベクトルについて解説していきます。


data.frameとは?

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簡単にいうとExcelの表みたいな形式です。行(横)×列(縦)の形式になっています。

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EZRやRコマンダーを使う方はエクセルのデータを読み込んでいると思いますが、これがdata.frameになります。


data.frameのお約束

縦の列に変数名

縦の列に変数名を入れることです。基本逆にはしません。


一番上は変数名にする

一番上が変数名になるのでそれぞれ違う名前にしましょう。空欄もないように。
また変数名が2段にならないようにしましょう。


変数名に「空白」を使わない

Rでは変数名に空欄があると読み込めなかったりするので「 _ 」などを使う方がエラーが出にくいです。
「 ー 」もマイナスの記号と間違われる可能性があります。


Excelのセルは絶対に結合しない!

一番上の変数名も含めてどの部分でも結合はしないようにしましょう!

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エクセルに「平均」「標準偏差」を計算しない

Rで簡単に求められます。またエクセルには実データだけ入れないと、Rに集計の行が入り逆にRでの集計が正しくできません。


ベクトルとは?

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上記のように1つのベクトルには複数のデータが入っています。

ベクトルを使うときはc()を使います。

年齢 <- c(65, 46, 86, 76, 45)
性別 <- c("男性", "女性", "女性", "男性", "女性")


となっていれば上のエクセルみたいなものだとイメージします。
ちなみに文字として認識させるには" "が必要です。


そしてdata.frameはベクトルの集合体とも言えます。

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データフレームをエクセルでなくRで作るときは

①それぞれの列(ベクトル)をつくる。

②data.frame関数でくっつける


といった方法で作成することができます(それぞれのデータの数は同じににしましょう)。
氏名 <- c("山田", "鈴木", "吉田", "田中", "山口")
年齢 <- c(65, 46, 86, 76, 45)
身長 <- c(165, 147, 163, 158, 173)
体重 <- c(48, 50, 62, 64, 67)
性別 <- c("男性", "女性", "女性", "男性", "女性")
data <- data.frame(氏名, 年齢, 身長, 体重, 性別)
data

> data 氏名 年齢 身長 体重 1 山田 65 165 48 2 鈴木 46 147 50 3 吉田 86 163 62 4 田中 76 158 64 5 山口 45 173 67




$と[[ ]]について

では「data.frameの年齢」を取り出すにはどうすれば良いのでしょうか?

これは$または[[ ]]を使います。二重括弧です。

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RStudioだと、data.frameの変数に$をつけると変数名が出ます(すごく便利!)。

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またdata.frameの変数に[[1]]を入れると「1列目」という意味になります。


dataの中身が以下だったとします。
氏名 年齢 身長 体重 1 山田 65 165 48 2 鈴木 46 147 50 3 吉田 86 163 62 4 田中 76 158 64 5 山口 45 173 67


data$年齢 data[[2]]

> data$年齢 [1] 65 46 86 76 45 > data[[2]] [1] 65 46 86 76 45
同じ結果が出ます。



data.frameと医療統計

Rで医療統計を行う場合はdata.frameの形になっていることがほとんどです。次はこれがどう医療統計とつながるかをみていきます。

平均を出す場合

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t検定を使う場合

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相関係数を見る場合

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具体的な検定は今後紹介していきますが、今回はRで統計をかける場合は縦の列が重要になることがイメージできれば良いかと思います。




data.frameでよく使う関数

data.frameを使うときの代表的な関数を紹介します。

head()

head()はdata.frameの最初の数行を表示してくれます。


str()

str()は各列の型やデータの一部を一覧で教えてくれます。
型に関しては今後説明していきます。

names()

names()は列の名前(変数名)を一覧で出してくれます。
変数名なんだっけ?


dplyr::mutate()

mutate()は新たな変数を作るったり、既存の列を更新することができます。
たとえばFIMの各項目から合計点を出したり、FIM6点以上を"自立"にする、年齢を10代,20代とグループ分けするなんてこともできます。

dplyr::filter()

filterはdata.frameの中から条件にあった行だけを取り出します。
たとえば男性だけのデータを抜き出すことができます。

dplyr::select()

select()はdata.frameの中から選んだ列だけを取り出します。
たとえばdata.frameの列が多すぎる時に分析に使う列だけ取り出したりできます。


dplyr::group_by()

group_by関数はグループ分けをします。たとえばデータを性別毎に分けることができます。


dplyr::summarise()

summarise関数はグループ毎の平均や標準偏差をまとめて出すことができます。



ちなみにdplyr::というのはdplyrというパッケージを使うという意味なのですが、パッケージも今後紹介していきます。パッケージというのはRの機能を拡張してくれます。


何が言いたいかというとExcelで基本となるデータを1つ作ることができたら、Rの中でデータの加工したり、グループ分けしたり、集計・統計ができるということです。そのためエクセルのファイルを分析ごとにコピーしたりせずに済みます!コピーしすぎて「元データどれだ・・・?」となったりしません。


まとめ

今回はdata.frameについて紹介しました。

data.farameはRを使う上で必ず必要になり、第2章以降のデータはほぼ全てがdata.frameを使っています。
まだ使い方になれないと思いますが、記事を読み進めながら徐々に理解を深めていただければと思います。


次回もRを使う上で非常に大切な考え方である型について紹介します。



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